医療法⼈社団 中成堂⻭科医院 | ⼤正時代から埼⽟県川越市にある⻭科医院

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亡き父に作った入れ歯

2003.10.14 ブログ

7月22日に父が66歳で他界いたしました。父の口の中には最期まで中成堂歯科医院で私が作った入れ歯がありました。
その入れ歯を作ったのは昨年の8月。それまで使っていた入れ歯もだいぶ合わなくなっているし、残っている歯もだいぶグラグラだったので、新しいのを作ろうということになりました。今までものは何年も前に保険で作った入れ歯。ピンク色をしたレジン(プラスチックのような高分子材料)でできていました。そこで、今度のは自費で構わないので、とにかく良いものを作っていこうということになりました。入れ歯のフレーム部分にはチタン、入れ歯の歯には天然の歯の色、形に極めて近い材質のものを用いました。技術に関しては???とにかく惜しみもなく手間ひまかけて、じっくり丁寧にやっていった次第です。そして出来上がった入れ歯は?というと・・・・。自分でいうのも何ですが、素晴らしいものが完成いたしました。スーパーチタンを用いたおかげで、金属とは思えない軽さ、それでいてレジンとは比べられないほどの薄さに仕上がりました。勿論、チタンですので熱伝導性も良く、生体親和性という点でも優れています。歯についてもいわゆる入れ歯の歯ではなく、審美性の優れた、言うなればきわめて自然な風合いの優しい感じの入れ歯になりました。
父曰く「今度の入れ歯は食べ物の味や温かさ、冷たさが良くわかって、食事がとても旨い!!」とのことでした。母も「口元がすっきりして、とても若々しく見える」と喜んでいました。
確かに、入れ歯を作った後、父は少し太りました。