医療法⼈社団 中成堂⻭科医院 | ⼤正時代から埼⽟県川越市にある⻭科医院

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私の健康法(1) 禁煙 ~ニコチンからの脱出~

2005.04.20 ブログ

歯科の治療というと虫歯を削ったり、歯石をとったりというイメージがありますが、こういった治療の究極的な目標とは何なのでしょうか?口の中という局所的に考えると、虫歯などによる痛みを取り除いたり、咬めないのであれば、咬めるようにするのが目標だと思いがちです。しかしながら、歯科医療の本来の究極の目標とは、患者さんの健康を守る、QOL(生活の質)を高めることにあると思います。歯を削ったり、入れ歯を作ったり、歯石をとったりすることは、あくまで、患者さんを健康にし、豊かな幸せな人生を過ごしていただくための手段の一つに過ぎないと考えることもできるのです。
というわけで、前置きはこれくらいにして、今回は日々の歯科診療からちょっと離れて、私の健康法についてお話したいと思います。
当院が開院したのが平成14年の2月ですから、もう、丸3年少しが経過したわけですが、その開院半年前、私は一念発起、タバコをやめることに成功しました。タバコをやめようと思ったのは、その時が初めてというわけではありません。結婚の時、こどもが産まれた時、引っ越した時など、折に触れて試みようと思ったものですが、なかなかうまくいきませんでした。ピースが好きでもうかれこれ十数年吸っていました。しかしながら、開院するのであれば、患者さんにタバコの害や歯周病との関係などについてもお話しすることになるでしょうし、何より、「患者さんの健康を守ろうという歯科医師が自分の健康管理もできないのでは駄目だ!」と思い、「禁煙するのもこれがラストチャンスだろう」との気持ちも手伝って、タバコを断つに至った訳です。そんな状況でしたから、モチベーションも高く禁煙生活がスタートしたのですが、やってみたことのある方はお分かりでしょうが、これがきついのなんの・・・。二日目くらいまではまあ勢いでどうにか過ごせましたが、三日目以降になると、だんだんニコチン欠乏症の兆候が出てきました。いらいらするし、他人のタバコの煙がおいしそうにうらやましく見えたものです。そんな時に目に付いたのが、薬局(処方箋でお世話になっているナイス薬局さん)に置いてあったニコレットという禁煙補助剤でした。簡単に言うと、ニコチンが含まれるガムです。「これだ!!」と思い購入し、説明書に書いてある通りに服用を始めました。煙こそ出ませんが、確かに体にニコチンが回るため、タバコを吸いたくなる欲求はある程度抑えることができました。そして、禁煙生活が一週間、一ヶ月と進んでいきました。こうなって来るとさすがに「禁煙をやめるのももったいないな」という気持ちも盛り上がり、数々のハードルを越えていくことに成功していきました。飲み会の時の一服、ラーメンの後の一服、自動車運転中に渋滞にはまった時の一服、運動の後の一服など、吸いたくてたまらない時もニコレットのおかげで切り抜けることができました。で、生じたのが次の問題。「いつニコレットをやめることができるのだろう?」説明書によると服用期間には制限があり、だんだんとニコレットそのものもやめなければなりません。「これは大変だ」とも思いましたが、タバコをやめるときのつらさに比べれば、意外なほどあっさりとニコレットの数は減っていき、二ヶ月ほどでニコレット生活ともおさらば。めでたくニコチンからの脱出に成功することができました。
飯はうまいし、ピースの売っている自販機を探す苦労や吸殻に困ることもなくなり(現在ではタバコを吸う場所を探すだけでも苦労しそうですが・・・)、嬉しいことばかりのはずだったのですが・・・。たったひとつだけ、困った問題が発生しました。そそそそれは、太ってしまったということです。このことについては、また後日お話したいと思います。