医療法⼈社団 中成堂⻭科医院 | ⼤正時代から埼⽟県川越市にある⻭科医院

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おもちゃのお医者さん

2005.05.25 ブログ
お医者さんにもいろいろあります。歯医者といっても、歯を抜いたり、腫瘍をとったりするのは歯科口腔外科医、機能的で美しい状態に歯を動かすのは矯正歯科医、お子様の歯の治療は小児歯科医といったぐあいに、それぞれの専門(得意)分野があります。しかしながら、今回は、そのような人の体の治療を行うお医者さんではなく、おもちゃのお医者さんのお話です。

当院にはお子様のための本やおもちゃ(上の写真)が待合室に置いてあります。患者さんである小川實さん(65歳)はこうしたおもちゃのお医者さんなのです。
ある日、治療が終わった後、待合室に置いてあるおもちゃを手に取り、しげしげと眺めている小川さんの姿がありました。どうしたのかな?と思っていると、こちらを振り向き「このおもちゃ、壊れているから、今度の治療のときまでに直して来るね」とのこと。「あっ、どうもありがとうございます」と言ってはみたものの、大丈夫かなあというのが正直な気持ちでした。なにせ、息子が生まれたときに買って、その後、待合室に置いておいたおもちゃですから、もう5年くらい、いろんな子供たちが遊んだシロモノでした。
そして、次の診療日当日。私が抱いていた不安はこっぱみじんに吹っ飛びました。小川さんの持ってきたおもちゃ(下の写真)は新品のごとく、ピカピカにキレイに直って戻って来たのでした。そこで、あらためて小川さんに「すごいですね!」とうかがってみると、「このおもちゃはとても人気があり、何度か直したことがあるんです」とのこと。小川さんは「小江戸おもちゃ119」というボランティア団体の理事さんで、日頃から公民館などでおもちゃの修理を行っているスゴイ方なのでした。(ちなみに川越市の広報にも載っています)
さすがに、おもちゃを大切に扱い、丁寧に修理する方だけあって、お口の中の手入れも万全です。いつもきれいにブラッシングなさっており、半年に一度の定期検診も欠かさずお出でになります。おもちゃも歯も少々壊れたからといって、すぐに捨てる(歯の場合は抜く)のではなく、日頃の手入れと修理(メインテナンス)をしかっり行うことにより、長く使うことができるのだと、再認識いたしました。小川さん重ね重ねありがとうございます。
待合室のおもちゃを手に取ることがありましたら、そんな素敵なおもちゃのお医者さんがいることを思い出してみて下さい。