医療法⼈社団 中成堂⻭科医院 | ⼤正時代から埼⽟県川越市にある⻭科医院

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さわやか診療(笑気吸入鎮静法)

2006.06.30 ブログ
当院では今年から笑気吸入鎮静法という歯科診療を始めました。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、この鎮静法を用いることにより、痛み・不安・恐怖感などがやわらぎ、リラックスした状態で安心して診療を受けることができるのです。
右の写真は実際に笑気吸入鎮静法を用いて診療を行っているときのものです。この患者さん(Kさん、女性)は歯科治療に対する恐怖感がとても強く、何十年ものあいだ歯医者に行きたいのだけれども、怖くていけない。でも歯医者に行かないからどんどん口の中は悲惨なことになっていく。でもやっぱり歯医者は怖いという状態でした。しかし、今度ばかりは「もうどうにかしないと総入れ歯になってしまう」ということで重い腰を上げ、やっとの思いで当院にいらっしゃったのです。実際にユニット(治療用椅子)に座っていただくと、顔面蒼白、手に汗を掻き、視線は宙をさまよい、言葉もしどろもどろという状態でした。そこで、この鎮静法のお話を詳しくさせていただいて、理解、納得をしてもらった上で治療を進めていきました。するとどうでしょう!鎮静法を始めて数分間経つと穏やかな表情になり、あっという間に治療(その日はぐらぐらの歯を注射の麻酔をしてから抜きました)は終了しました。治療後に感想を伺ってみると「全然怖くなかったです。これなら続けられそうです!」とのことでした。事実Kさんは見事に3ヶ月間の治療を終了し、めでたくリコール(メインテナンス)となったのでした。最後には「生まれて??年にして歯科治療をやっと克服することができました。どうもありがとう」とまでおっしゃっていただくことができました。そのお顔は自信と満足感に満ち溢れ、初診当時の面影は全く無くなっていました。歯科医院の中でKさんの笑顔を拝見することができて本当に嬉しく思うとともに、笑気吸入鎮静法の有用性を再認識いたしました。
ちなみにこの鎮静法は全身麻酔ではありませんし、患者さんの意識を消失させるものでもありません。つまり、患者さんは何かあれば不快症状として訴えることが可能なのです。また、呼吸器系や循環器系は特に抑制されずに安定していますし、使用薬剤も極めて少量であり、非常に安全性の高い治療法なのです。治療後も吸入を停止すると次第にさめていき、特に介護者も必要なく帰宅することができ安心です。
スタッフにも行ってみましたが、すこぶる好評でした。今度は僕も体験しようと思います。