医療法⼈社団 中成堂⻭科医院 | ⼤正時代から埼⽟県川越市にある⻭科医院

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BLS(一次救命処置)ヘルスケアプロバイダー

2006.09.15 ブログ
      
 日本でも心肺蘇生法(CPR)の重要性が広く認知されるようになりました。街中でも小中学校や公民館、博物館といった公共施設にはAED(自動体外式除細動器)が常備されるようになってきています。というのも、救命の手順としては、まず119通報、発見者による心肺蘇生、次に除細動、4番目が医療機関での治療となっており、医療機関に到着するまでの処置が大きく生死をわけることになるからです。起きて欲しくはないことですが、歯科医院内においても、患者さんの容態が急変し救急病院へ搬送しなければならないという状況もあり得ます。ですから、その時に適切な処置を施すことができるかどうかということも歯科医師に求められるスキルだと考えられます。そこで、先日、アメリカ心臓協会(AHA: American Herat Association)の日本部会である日本ACLS協会の主催するBLSヘルスケアプロバイダーコースを受講してきました。そして、めでたくBLS for HCPに無事合格しました(写真左:BLS for HCPのライセンスカード)。
このコースはたいへん人気が高く、川越で行われる講習会には応募多数のため抽選の結果、受講することができませんでした。そこで、伊奈で行われる講習会に応募し、2回目で何とか受講することができました。当日の講習会場には70数名の医療従事者(医師、看護士、救急救命士、その他コメディカル)が集まり、朝から夕方まで、みっちりと中身の濃いプログラムをこなしました。そのコースは全体でビデオ(細かなチャプターに分かれている)を見てから、3-4人のチームに分かれてすぐに実技をするということを繰り返す方式で行われました。1回のビデオが数分間で、その後行われる実技も各チームに一人ずつインストラクターがついてくれるので、息つく間もなく講習は進み、頭と身体は常に全開状態で最後はヘロヘロになりました。しかしながら、そのおかげでとても効率的かつ効果的にヘルスケアプロバイダースキルを習得することができました。(具体的には心疾患、脳卒中患者のための救命処置、AEDの使用法、異物による気道閉塞に対する処置等々)
そして、全講習を終えた後には恐怖の筆記テストが待っています。このコースを受講するに当たっては、前もってテキスト(写真右)を熟読し予習しておかなければなりません。そのテキストと当日のコースから、25問出題され84%(21問)以上の正解が必要となるのです。何度も受験(予備校の受験から始まり、自動車免許、スキューバダイビングのライセンス、歯科医師国家試験まで多種多様)した事のある私ですが、いつものことながら相当緊張しました。結果は1問不正解はありましたが、無事合格しました(この合格がわかったときの快感はやめられません)のでほっとひと安心です。
今後はBLS for HCPのスキルを院内のみならず、さまざまな形で地域にも生かしていき、貢献することができればと思います。(もちろん、そういう機会は無い方が良いのですが、備えあれば憂いなし、備えよ常に。ということです)